SSブログ

中華民族としてのナショナリティ形成

どうも中国で働いている人たちのレスポンスが悪いなあと思っていたら、今週は中国において第二次世界大戦終結70周年記念で休暇になっていました。9月3日は「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年」の記念パレードがあったようで、WeChat(中国のSNS)では愛国心を刺激された中国人友人達の書き込みが続きます。

中国は最大の漢民族と55の少数民族でなりたつ多民族国家です。11億人居る漢民族が圧倒的で、その次はというとチベット族でもウイグル族でも無く、ベトナム国境あたりで自治区をつくっているチワン族。その次が清の時代の支配民族である満州族、そしてペルシャあたりから唐の時代にうつってきた人たちを源流とする回族です。

在中国日本人向けのフリーペーパーに毎回1つずる少数民族を紹介するコーナーがあるのですが、ロシア(ソ連)との国境策定の影響で中国に編入されたものの民族的特徴とか文化とか完全に白人系のオロス族(ロシア族)とかもいます。(但しオロス族はもと広範囲に、元々ロシア系の民族で中国東北部などに住んでいる人も含んでいます)

 

現在の中国政府(中国共産党)はこれら漢民族+少数民族を”中華民族”というアイデンティティとして一体化を図ろうとしている段階で、政府高官の発言をみても”中華民族”という言葉良く出てきます。

これら”中華民族”という言葉が実感されるようになったのは、2008年の北京オリンピックでしょうか。上海人は終始一貫興味が無かったようですが、北京人の友人達と話していると、特に歴史的に文化大革命など苦難を経験した人たちにおいても「いままで中国という国を好きになったという事はないが、今回のオリンピックを通して中国という国が好きという意識ができてきた。」と聞きました。

 

 

一方で中国のナショナリズムを警戒する声もありますが、そもそも民族という概念自体が一般の人々に意識されるようになったのは近代以降で、もともと共同体意識が無い人たちを1つにまとめようとしてきたのは多くの国家にとって基本的な国家の役割なんだと思います。


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。