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中国のブラック企業

中国で管理職として仕事をしていると日本に比べても意外と労働者の権利が法律や運用ルール上守られている事が多くあります。日本の様に派遣社員を採用して不要になれば直ぐ雇い止めということも出来ませんし、正社員(多くは1年や数年の有期ではじまります)もなかなか簡単に解雇はできません。ただ実際は、給与や役職などを下げて将来性が無いと判断すると自ら離職していく人が大半なので、日本のみたいに”解雇部屋”みたいな問題はおきないのかもしれません。今のところでは。

ただ、一部の企業においてはモーレツに従業員に働かせる企業も存在しています。中国の最大手のネット企業で一時期仕事をしていましたが、みなさんモーレツに働かせれています。その中でも才覚を見いだされた人は20代で部長や30そこそこで役員になるという激しい実力主義の会社でした。その会社、現在では本社が移転して変わったかもしれませんが、数年前まで使ってた旧本社では、取引先向けの窓口は深夜2時まで受付の女性が座っていました。確か二交代か三交代で受付の人がいたのですが、そんな深夜まで訪問するって事があることですよね。実際、私たちも役員の人たちとの打ち合わせは、数時間所は半日待たされるって事もざらにありました。

そういう会社で労務管理がどうしているかというと、結局その地方政府は問題があっても目をつぶっているのですよね。中国は北京や上海ではない都市に本社をおいている企業が多くあります。これは、税収が確保できる地方政府と、法律や許認可で優遇策を求めている企業の相互利益が一致している場合が大半です。

ちなみに、華南に本社があるもはやグローバル希望のハイテク企業も社員が猛烈に働いています。この会社は、入社時に”私は残業代は要りません”という書類にサインを求められます。ここまでしてでもその会社でポジションを得て、チャンスを得たいと言うことです。


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成熟する中国の消費者 2015秋

パスポートのスタンプをみると4ヶ月ぶりの上海です。上海に住んでいたのは3年足らずですが、ここ10年間毎月1度は中国に出張していたことを考えるとずいぶん久しぶりの中国です。

日本のニュースなどでは極端な報道ばかり流れますが、いくら景気減退といえども年率6%や7%で成長を続けている中国の消費生活は着実に成熟に向かっています。

最近気になったこと(自身+直接の友人・知人の経験も含む)

※タクシーの後部座席でおしゃべりをしていたところ、ドライバーの携帯がなった。ドライバーは「いま携帯で話をしていいか?」と確認をしてきた。

※歩道でハンカチを落としたら、自家用車を運転中のドライバーが車を降りて届けてくれた。

待ち行く人の服装も、模様の入ったジーンズやスェット上下で出歩く人はすっかり居なくなって日本との差はますます小さくなっているようです。

CMを見ると、スポーツをしてもズレないメガネの宣伝をやっていました。昔は如何に高級かということが唯一の訴求ポイントでしたが、このように実生活の機能性をしっかりと訴求するようなコマーシャルがでてくるのも消費生活向上の1つの例でしょうね。


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マッキントッシュロンドンを展開する三陽商会

冬物のスーツをオーダするために伊勢丹新宿メンズ館に行くと、マッキントッシュの売り場が目につきましたので立ち寄りました。男性用のビジネスコートではなかなか見かけない、レッドやパープルのコートが並んでいるなか、店員さんと会話をすると、”これは日本人向けにデザインされた、日本の気候にあったコートです”と説明を受けました。


マッキントッシュ(MAKINTOSH)はイギリス(スコットランド)を起源とするファッションブランドで「ゴム引き防水コート」で有名なブランドです。この「ゴム引き防水コート」は”2枚の生地の間にゴムを流し込むことで完全防水を実現する”というもので、マッキントッシュのコートと言えば「ゴム引き防水」として知られています。ただ、ゴム引きされた分重量は増し、着心地にゴワツキ感が有り、ゴム臭もするという評判で、そして経年利用でゴムが剥がれてしまうという特徴も有名です。更にそもそも日本の高温多湿の気候では、ゴム引きなんかされたら蒸してしょうが無いんじゃ無いのって声も多く、なかなな購入を躊躇させる品物でした。さらに、このゴム引き防水コートは、選択表示が全て「×(バツ)」でクリーニング店に持って行っても洗濯を断られます。数年前にマッキントッシュの「ゴム引き防水コート」を買おうと思っていろいろ調べたところ、日本国内だと東北地方かどこかに「ゴム引き防水コート」のクリーニングを受け付けてくれるお店がありましたが、全体的にあまりのメンテナンスの面倒さに断念してしまいました。


2015年の夏頃に百貨店にある「バーバリー」のお店が「マッキントッシュ ロンドン」のお店に衣替えをしました。店舗を実際に運営していたのは三陽商会という企業で、三陽商会は「バーバリー」のお店を「マッキントッシュロンドン」というお店に衣替えをしたのです。


バーバリーもイギリスを起源とするファンションブランドで、日本国内でも高い人気を保っています。ただ、日本のバーバリーストアで売られている「ブラックレーベル」や「ブルーレーベル」は、日本でのライセンス契約を持つ三陽商会が企画・販売した商品で、(基本)日本だけでしか売られていません。これら商品は英国で企画・販売する商品の半値近くの価格帯でして、バーバリー本社としては世界統一のブランド戦略として、どうしても価格帯の低い商品ばかりうれる日本市場は快く思っておらず、2010年くらいから英国バーバリーは日本市場に対して直接進出を徐々に図っていきます。しばらく国内には三陽商会のバーバリー店舗と、バーバリーインターナショナルの店舗が混在する状況が続きましたが、2015年三陽商会のラインセンスは切れ、例えば「バーバリーブラックレーベル」は「ブラックレーベル」などバーバリーブランドを使えなくなってしまいました。

 

海外のファッション・ラグジャリーブランドが海外展開を行う際に、最初は進出国の市場もわからず、資本力も強くないので、現地の小売業をパートナーとして代理店契約をすることが多いです。ただ進出国でのビジネスが拡大してくると、代理店を介さず直接ビジネスをしよう、というかたちになります。仕事上これらの国内の代理店ビジネスをしている人たちと話しますが、ビジネスの特性上どうしても大きくなったブランドが離反するのは避けられない、といった感じで話されます。さらに特にここ10年くらい、市場のグローバル化(特に中国・東南アジア市場の拡大)と相対的な日本市場に縮小に際して、欧米系グローバルブランドが日本市場を特別視せずにグローバルオペレーションに組み込む傾向が多いように感じています。


で、話は戻りますが、三陽商会はマッキントッシュとライセンス契約をつくりましたが、日本市場にあいそうにない「ゴム引き防水コート」を大々的に輸入するのでは無く、「マッキントッシュ ロンドン」というブランドを作り、日本市場向けの商品を企画・開発をはじめました。その店舗は、日本人向けの商品が並び、今日の私のように購入意欲をそそられるのです。

今日見たコート欲しいなあ。。








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中華民族としてのナショナリティ形成

どうも中国で働いている人たちのレスポンスが悪いなあと思っていたら、今週は中国において第二次世界大戦終結70周年記念で休暇になっていました。9月3日は「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年」の記念パレードがあったようで、WeChat(中国のSNS)では愛国心を刺激された中国人友人達の書き込みが続きます。

中国は最大の漢民族と55の少数民族でなりたつ多民族国家です。11億人居る漢民族が圧倒的で、その次はというとチベット族でもウイグル族でも無く、ベトナム国境あたりで自治区をつくっているチワン族。その次が清の時代の支配民族である満州族、そしてペルシャあたりから唐の時代にうつってきた人たちを源流とする回族です。

在中国日本人向けのフリーペーパーに毎回1つずる少数民族を紹介するコーナーがあるのですが、ロシア(ソ連)との国境策定の影響で中国に編入されたものの民族的特徴とか文化とか完全に白人系のオロス族(ロシア族)とかもいます。(但しオロス族はもと広範囲に、元々ロシア系の民族で中国東北部などに住んでいる人も含んでいます)

 

現在の中国政府(中国共産党)はこれら漢民族+少数民族を”中華民族”というアイデンティティとして一体化を図ろうとしている段階で、政府高官の発言をみても”中華民族”という言葉良く出てきます。

これら”中華民族”という言葉が実感されるようになったのは、2008年の北京オリンピックでしょうか。上海人は終始一貫興味が無かったようですが、北京人の友人達と話していると、特に歴史的に文化大革命など苦難を経験した人たちにおいても「いままで中国という国を好きになったという事はないが、今回のオリンピックを通して中国という国が好きという意識ができてきた。」と聞きました。

 

 

一方で中国のナショナリズムを警戒する声もありますが、そもそも民族という概念自体が一般の人々に意識されるようになったのは近代以降で、もともと共同体意識が無い人たちを1つにまとめようとしてきたのは多くの国家にとって基本的な国家の役割なんだと思います。


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