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マッキントッシュロンドンを展開する三陽商会

冬物のスーツをオーダするために伊勢丹新宿メンズ館に行くと、マッキントッシュの売り場が目につきましたので立ち寄りました。男性用のビジネスコートではなかなか見かけない、レッドやパープルのコートが並んでいるなか、店員さんと会話をすると、”これは日本人向けにデザインされた、日本の気候にあったコートです”と説明を受けました。


マッキントッシュ(MAKINTOSH)はイギリス(スコットランド)を起源とするファッションブランドで「ゴム引き防水コート」で有名なブランドです。この「ゴム引き防水コート」は”2枚の生地の間にゴムを流し込むことで完全防水を実現する”というもので、マッキントッシュのコートと言えば「ゴム引き防水」として知られています。ただ、ゴム引きされた分重量は増し、着心地にゴワツキ感が有り、ゴム臭もするという評判で、そして経年利用でゴムが剥がれてしまうという特徴も有名です。更にそもそも日本の高温多湿の気候では、ゴム引きなんかされたら蒸してしょうが無いんじゃ無いのって声も多く、なかなな購入を躊躇させる品物でした。さらに、このゴム引き防水コートは、選択表示が全て「×(バツ)」でクリーニング店に持って行っても洗濯を断られます。数年前にマッキントッシュの「ゴム引き防水コート」を買おうと思っていろいろ調べたところ、日本国内だと東北地方かどこかに「ゴム引き防水コート」のクリーニングを受け付けてくれるお店がありましたが、全体的にあまりのメンテナンスの面倒さに断念してしまいました。


2015年の夏頃に百貨店にある「バーバリー」のお店が「マッキントッシュ ロンドン」のお店に衣替えをしました。店舗を実際に運営していたのは三陽商会という企業で、三陽商会は「バーバリー」のお店を「マッキントッシュロンドン」というお店に衣替えをしたのです。


バーバリーもイギリスを起源とするファンションブランドで、日本国内でも高い人気を保っています。ただ、日本のバーバリーストアで売られている「ブラックレーベル」や「ブルーレーベル」は、日本でのライセンス契約を持つ三陽商会が企画・販売した商品で、(基本)日本だけでしか売られていません。これら商品は英国で企画・販売する商品の半値近くの価格帯でして、バーバリー本社としては世界統一のブランド戦略として、どうしても価格帯の低い商品ばかりうれる日本市場は快く思っておらず、2010年くらいから英国バーバリーは日本市場に対して直接進出を徐々に図っていきます。しばらく国内には三陽商会のバーバリー店舗と、バーバリーインターナショナルの店舗が混在する状況が続きましたが、2015年三陽商会のラインセンスは切れ、例えば「バーバリーブラックレーベル」は「ブラックレーベル」などバーバリーブランドを使えなくなってしまいました。

 

海外のファッション・ラグジャリーブランドが海外展開を行う際に、最初は進出国の市場もわからず、資本力も強くないので、現地の小売業をパートナーとして代理店契約をすることが多いです。ただ進出国でのビジネスが拡大してくると、代理店を介さず直接ビジネスをしよう、というかたちになります。仕事上これらの国内の代理店ビジネスをしている人たちと話しますが、ビジネスの特性上どうしても大きくなったブランドが離反するのは避けられない、といった感じで話されます。さらに特にここ10年くらい、市場のグローバル化(特に中国・東南アジア市場の拡大)と相対的な日本市場に縮小に際して、欧米系グローバルブランドが日本市場を特別視せずにグローバルオペレーションに組み込む傾向が多いように感じています。


で、話は戻りますが、三陽商会はマッキントッシュとライセンス契約をつくりましたが、日本市場にあいそうにない「ゴム引き防水コート」を大々的に輸入するのでは無く、「マッキントッシュ ロンドン」というブランドを作り、日本市場向けの商品を企画・開発をはじめました。その店舗は、日本人向けの商品が並び、今日の私のように購入意欲をそそられるのです。

今日見たコート欲しいなあ。。








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